第48回  赤ちゃんの人格

子育てゼミナール

みなさんこんにちは。

赤ちゃんの時期の『全部自分のものルール』であれば、ほほえましく許せてしまう人も多い。

しかし、いつも思い通りになることばかりではない。

例えば、〝おなかすいた―!〟と泣きわめいて、すぐにおなかを満たしてもらえる時とそうでないときがある。

養育者とて忙しい。

抱っこをせがんでも、なかなかしてもらえないときもあるし、行動を「だーめ」としつけられることもある。

そして〝自己主張ばかりでは生きられない〟ことを悟る。

すると心の成長が促され、次の段階に入る。

『怒られなければ何をしても大丈夫ルール』じゃ。

善悪の判断はできんが人の顔色をみて行動できるようになる。

基本、良いこと悪いことは一番長い時間一緒にいる人の顔色がこどものルールのすべてとなる。

この時期に学んだことがこどもの人生の道徳の柱となっていくぞ。

人格に大きく影響するんじゃ。

一般的には一歳半を過ぎたころくらいから、この時期に移っていくんじゃが、ルールへの移行の失敗も起こることもある。

あまりにも神経質に過敏に過度にチヤホヤチヤホヤ、要求を満たし続けすぎていると自我の成長は促されず、『全部自分のものルール』にとどまり、手が付けられん人間になってしまうなど社会的に適応できない人格になってしまう。

逆パターンもあるぞよ。

何時間もほったらかし、こどもに無関心で目を合わしてやることも触れてやることも忘れ、ミルクさえ与えておけばよいとばかりに首にタオルを置いて哺乳瓶をたてかけミルクを流し込む、など極端にこどもの存在を無視するようなことを続けると、いつしかこどもは泣かなくなるがその子は一生、自分の存在価値を持てない人生を歩んでしまう。

人も世の中も自分もすべても、なにもかも信頼することのできない、不信感に満ち、常に絶望を背負ったような人格となってしまう。

このときの失敗は取り返しのつかんものになりかねんぞ。

肩に力を入れすぎず抜きすぎずで、ほどほどの、ちょうどいい養育者であれるといいのう。

そうすれば知らんとる間に自然とつぎの段階に進んどるもんじゃ。

赤ちゃんと会話ができるようになってくる、『怒られなければなにをしても大丈夫ルール』の時期は「どうしてこんなことがわからないの!?」「なぜ、こんなことをするの?!」とイライラ、プンプンが増えてくるが『イラプン』は手離すこと。

また、〝わからないんだからしかたがない〟と開き直ってほったらかしにもしないこと、〝意識すると腹が立つから〟と見て見ぬふりもしないこと。

悪意があってもなくても、良くないことをしたら、〝なぜ!?どうして!?〟を言わず、根気よく、『全部自分のものルール』から継続して〝だめなことはだめ〟と繰り返し教え、声をかけていこう。

面倒でも〝繰り返し〟の労力を惜しまず、疲れから感情的になりそうになったとしても、〝未来への貯金〟と未来を楽しみに自分と我慢強く向き合い、ブレない姿勢をとることでこどもの未来の人生が構成されていく。

この時期にこどもの自我の成長を促進させ、正しい道徳的価値観に導いていくことで、こどもの幸せはもちろん、養育者自身もその後のこどもへのかかわりがうんと楽になっていくんじゃよ。

では続きはまた今度。

ぬほほほほ。