第31回 

さて、兄弟喧嘩で〝わざとじゃないとき〟〝『わざとじゃないもん』と言ったとき〟はどうするか。

例えば、兄が組み立てたブロックを弟が崩してしまって喧嘩になったとき。

「わざとじゃないもん」といっているとき。

弟の方を隅っこに呼んで小さな声で話そう。

まずは「わざとじゃないもん」と言うことに対して。

首を横に振りながら「ううん、わざとでもわざとじゃなくても〇君(兄)はすごく悲しかったよ」と言い、弟の言い方をそのまま真似て「〝わざとじゃないもん〟ってそんな風に言われたらもっと悲しくなるよ、どう?」と問いながら注意するように静かに悲しい顔で厳しめな口調で言おう。

言い訳してもしなくても弟が困っているときは「〇君が一生懸命作ったやつ崩しちゃったから〝どうしよう!?〟って困っちゃったね。でも、このままじゃ、〇〇君(弟)の気持ちが伝わらないね。どうしようか?」と声をかけよう。

「ごめんねって言う」と答えたら「そう!えらいねー!〝ごめんね〟って言うの?えらいねー!」とたっぷりしっかり褒めてなでたり、さすったりしよう。

こどものほっぺたに優しく手を置き優しく撫で静かにしみじみと「えらいねー」を繰り返し、感心していることを表現してもとてもいい。

こどもから反応がなければ「今、どんな気持ち?」と優しく聞き、〝悪いなーと思う〟〝可哀想なことしちゃった〟などのこどもが心に持つ罪悪感をこども自身の口から言葉で引き出し、「そう!〝悪いなー〟と思ったのね、優しいね、いい子だね」とまずはこどもの言葉をそのまま真似て反復してからしっかりと深刻にならずに明るく優しく褒め「じゃ、そのままその気持ちを言葉にして伝えよっか」と促そう。

決してすぐに「ごめんなさい」につなげようとしない。

なんでもかんでも謝ればいいというものではないんじゃ。

まずは気持ち。

気持ちを大事にすることを学ばせたい。

「さ、行っといで」と優しく促し行動させる。

弟から「ごめんね」の言葉が出ずに兄がまだ怒っていたら、また弟をそっと呼び、わかっていても「〇君なんて?」と聞いて「そう。でもちゃんと伝えてえらかったね。」とまずは褒め「このままだと〇君も可哀想だね。どうしようか?」「〇〇君だったらなんて言ってほしい?」「〇〇君だったらどうしてほしい?」とひとつずつ順番に聞き、「謝ってほしい」「元どおりにしてほしい」と言葉が出たら「じゃ、そうしてみよっか?えらいねー、〇〇君はえらいねー」とほめたたえる。

〝ごめんね〟を言ったとき、兄が〝いいよ〟を言わなくても「〇君、〝いいよ〟は?」なんて促さない。

こんなものは気持ちであって『ごめんね』『いいよ』を単なる合言葉のようにマニュアル化させてしまってはいかんのじゃ。

〝「ごめんね」という罪悪感を持てる自分への厳しさと、可哀想という、相手を思いやれる優しさ〟〝「いいよ」の自分の怒りを制御できる強い心と、許すという広い心〟が言葉の背景にあってこその言動を学び積み重ねていきたい。

「すごい!立派だねー!」と褒め称えよう。

ただし、間違うなかれ、〝じゃ、心がこもっていないなら言わなくてもいい〟と極論でしつけるのはいかんぞよ。

そして間髪入れずに「おかあさんにも手伝わせて!」とニコニコしながら「〇君優しいね。〇〇君いいこだね、おかあさんは大好きだよ、だいだいだい好きだよ」と繰り返し雰囲気を楽しく盛り上げながら一緒にブロックを組立てよう。

必ずいい子に育つぞよ。

未来が楽しみじゃ、ぬほほほほ。