第49回 

子育てゼミナール

さて、「全部自分のものルール」から「怒られなければ何をしても大丈夫ルール」に移ったらさらに〝ブレない姿勢〟が重要じゃ。

〝自分に媚びる子は良い子、可愛い子〟と言わんばかりに「そんな子は知らない」「言うことを聞かない子は嫌い」と言ったり、気に入らないことをしたときに無視したり冷たい態度をとるなどして〝愛情を失うかもしれない〟恐怖で操作や支配をしてしまわないように意識していこう。

〝自分で考え自分で行動する〟自律を失敗させてしまうことが多いのがこの時期。

「そんなことしたら鬼から電話がかかってくるよ」「おまわりさんに怒られるよ」など〝誰かに注意されるからしてはいけない〟「おりこうさんにしていたらご褒美がもらえるよ」「頑張ったらみんなが褒めてくれるよ」という〝得をするから・いい思いができるからすべき〟といった教えは極力避けたいの。

『道徳』は誰かに叱れて嫌な思いをしないためでも、損をしないためでもない。

『間違っていることだからしない』『正しいことだからする必要がある』と少しずつ覚えてできていく心の中の法律に従って善悪の分別やとるべき行動を自分で選択できるようになることが大事。

誰かの視線や評価を意識して、または見返りを期待して行動を決めるのではなく、良心に基づいての人の道、社会の一員としての義務を果たし、誇りが持てる自分を意識して気持ちよく生きられるようになるために道徳を身に付けさせる。

すればおのずと他人からも認められさらに自己肯定感と自信がついてくる。

人は失敗もするし間違いも起こすが、基準から大きく外れない自分を制御できる力があれば、ピンチに陥ったときも乗り切れるし復活する強さを持てる。

労力を惜しまず、一貫した姿勢で、繰り返し繰り返し、正しいこと・正しくないことを根気よく伝えていくことが次の発達に向かわせるんじゃ。

例えばゴミ。ごみは必ず自分でごみ箱に捨てさせよう。

代わりに捨ててあげるのではなく、自分で。

ごみ箱が近くになければあるところまで自分で持たせる、ティッシュなど小さいものなら自分のカバンやポケットにとりあえず入れさせる。

そのままじゃと忘れてしまうから「さっき、ポケットにごみ入れたよね。えらいね。ごみ箱あるからポイしよっか?」と優しく明るく楽しく声掛けしよう。

ポケットに入れるようにだれかが指導したのであっても本人が自主的に入れたような前提で必ず褒める。

小さい子には『捨てる』より、『ポイ』のほうが印象に残りやすく次回につながりやすいぞよ。

年齢相応に言葉づかいは変えていった方が発達に必要じゃが、低学年頃くらいまでなら音やリズムで表現してやると心に録音され、楽しい感覚が残り、成長してからも無意識に気持ちよく行動できるんじゃ。

ごはんを残したら決して捨てない。

やむをえないときはせめてバレないようにこっそりと。

嫌いなものは少量にして少し食べることができたら「うわぁ!すごいね!しっかり食べたね!」と褒めよう。

残したときはできれば「もったいないからラップして次のご飯の時に食べようね」と優しく声かけして自分でラップをかけさせてほしい。

上手に掛けられんと〝もったいない〟と思うじゃろうがこれも‘未来への訓練’と我漫をしておくれ。

道徳を育て、発達を促すも毎日毎日の積み重ね。

さてさて続きはまた今度。