第64回  引き合い

子育てゼミナール

ぬほほほほ。

みなさんこんにちは。

さて、子育てに“こうでなければならないことはないが、こうであってはならないことはある”。

こどもが思い通りにはならないと環境や自分の精神状態によってはイライラしてきてどうにも感情を抑えきれんことはあるじゃろう。

じゃが、だからといって、他人とこどもとの関係性を利用して、他人を引き合いに出し、こどもを操作するのは賛成できんぞ。

例えば、「先生が“おかあさんのいうことを聞かない子は嫌い”って言ってたよ。」とか、こどものお友達の母親を引き合いにして「○○ちゃんママが“乱暴する子とはうちの子は遊ばせない”って言ってたよ」など。

また、スポーツや勉強を頑張らせたいからと言って、「毎日、必ず練習させてくださいって言ってたよ」と先生がお願いしていないことを言うとか、先生が生徒の学習意欲の向上や維持のためなどよく考えたうえで「1ページだけ」や「30分だけ」などと少なめに、または家庭での学習は無しにしておるのに、「先生が3ページねって」とか「90分やろうねって」などの情報操作をするなどしてしまう。

ネガティブな言い方をせんだらええってもんじゃない。

「先生が自主学習する子が好きって言ってた」「○○さんがお手伝いする子が可愛いって言ってた」と養育者の都合をこどもが他人に寄せる信頼を利用してこどもを操作しようとするのもおんなじじゃ。

操作的であったり、条件付きの愛情ばっかりでこどもを思い通りにしようとしているといつかこどもとの信頼関係が崩れてしまうばかりか、こどもの精神状態まで不安定にしてしまう。

繰り返し繰り返し発信される条件付きの愛情によって“いい子でいたら愛してもらえる”“頑張れば認められる”があまりにも強く価値観に植えつけられすぎると、やがてそれは“いい子(人)でいないと愛されない”“頑張っていないと価値がない”“お前自身であるな”と強迫的なメッセージとなり、心は休むこともできず、いつも緊張を強いられ、他律的で自虐的な人生を歩んでしまうことになりかねん。

こどもが思い通りにならんのは普通のこと。

こどもとまっすぐに向き合って、大切なこと、わかってほしいことは何度でも根気よく教え、伝えていったらええ。

その声は録音され続け、その表情は録画されていき、あなたの存在はこどもの心に住み、いつか必ず、結果となる。焦らずに根気よく、根気よくじゃよ。