第11回 ニンゲンダカラ

子育てゼミナール

はいはい、みなさんこんにちは。

今回は 『人間だから』 についてじゃ。

子育てを完璧にせねばならないと自分を追い詰めてしまっとる養育者には 「人間なんだから、完璧じゃなくてもいい」 と周りが声をかけてあげたい。

本人がそう自分を励ますことも必要じゃ。それは、養育者自身のためではなく、子のためでもある。

肩に力が入りすぎ、フラストレーションの矛先が子に向くことは本末転倒じゃからのう。

わしのところに相談にくる養育者はみな一生懸命で、そんな悪循環から、なんとか子のために抜け出したいと自分と向き合い、子育てに欠かしてはならないことと、手を抜いてもいい方のコツをつかんで、 “ちょうどいいぐらいの自分の子育て” を見つけていくようになる。

すると、それは子にとっても “ちょうどいいお母さん(養育者)” となり、子は “人生を生きやすい子になる” となる。

じゃが、なかには、 『人間だから』 を自分のためだけに安易に使っておる方もいるようじゃ。

養育者が子に 「私だって疲れているのよ! 「いい加減にして!」 「うるさい!」 「何度言わせたらわかるの!?」 「いうこと聞かないとどこかに捨ててくるよ!?」 などと怒りに任せて吐き捨てる方もおる。

そして、「私も人間だから」という。

子の心と未来にどんな影響があるか考えたことがあるじゃろうか。

「人間だから怒っても仕方ない」 「生きているから我慢できなくて当たり前」 とその日常を繰り返す。

「子どもはグズなものだから」 「そういう時期だから」 と自分を納得させる。

しかし、気づいてやってほしい。子の声に。

それは子の心の飢餓のSOSであることを。

お茶碗一杯でご飯が足りるときもあれば、お茶碗二杯でも足りないときもある。

イヤイヤグズグズの時期には、いつも以上の愛情表現やそれなりの対応が必要なときもある。

お茶碗二杯で足りないときは必要な分だけご飯をおなかいっぱい食べれば、おなかのグーグーはとまり、安心して眠れる。明日のニコニコ準備になる。

体は未来に向けてグングン大きくなる。心も同じじゃ。

「人間だからこそ、温かくありたい、許してあげたい」 そう思わんか?

さて、次回は、イヤイヤグズグズっ子との向き合い方をお話しようかの。

じゃが…養育者だって甘えたいわなぁ…。